日本人はタンパク質が足りてない。1日に何グラム必要かすら知らない。

タンパク質は血管自体を丈夫にし、血管の栄養不足で起こる動脈壊死を防ぎ、日本人に多い
脳血管障害による痴呆の予防に役立ちます。また、食塩の摂り過ぎによって起こる高血圧を
予防するとされています。つまり動物性タンパク質の摂取増が脳血管の栄養不足からくる
脳卒中を減らし、日本人の長寿に貢献したと考えられるのです。 血管の健康にはタンパク質に
含まれるアミノ酸が関連します。たとえばリジンというアミノ酸は、 あまり血圧を下げない
ものの血管を丈夫にする働きをします。 また、アルギニンというアミノ酸は血管の内膜細胞で
変化して一酸化窒素(NO)となり、血管を 広げて脳の血管をつまらせる血栓症を防ぐとされます。
このためアルギニンには脳卒中や 脳血管障害による痴呆を防ぐ働きがあると考えられています。
一方、動物性タンパク質に特徴的な含硫アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸)には、タウリンや
メチオニンがあります。その特徴は第一に交感神経を抑え、血圧の上昇や心拍数の増加などの
ストレス反応を抑制すること、第二に、動脈硬化の原因となるコレステロールの排出を助ける
ことです。肝臓には含硫アミノ酸が多く、コレステロールはここで含硫アミノ酸と結合し胆汁酸
となり排出されます。含硫アミノ酸のタウリンやメチオニンは、食肉や内臓、魚介類など動物性の
タンパク質に多く含まれています。 京都大学大学院教授、世界保健機関(WHO)循環器疾患専門
委員会の家森幸男先生が中心になって 行われた「高血圧、主要循環器疾患の栄養因子――食事に
よる予防のための国際比較」によると、 世界的に見ても動物性タンパク質を多く食べる地域は
血圧が低いとされています。調査は尿を 24時間全部採取し、タンパク質の代謝物質である
尿素窒素(UN)の量を測定。その結果、尿素窒素の 量と血圧は逆相関し、タンパク質を多く食べる人ほど血圧が低いことが判明。とくに
動物性 タンパク質に含まれる含硫アミノ酸には、血管を丈夫にし、血圧を下げる効果があると
報告 されています。こうして世界の各地のタンパク質の摂取と高血圧、循環器疾患の関係を調べた
結果、タウリンの摂取の多い地域は明らかに心筋梗塞が少ないことがわかりました。

http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui4/q_074.html