新型コロナウイルスの感染拡大が続く欧州では、各国首脳が徹底した抑止策を打ち出す準備に乗り出している。
すでに主要都市での規制強化を余儀なくされたフランスとスペインに続き、イタリアや英国などでも経済への打撃が見込まれる厳格な対策が検討されている。

第1波で欧州最悪レベルの被害に見舞われたイタリアでは11日、新たに集中治療室(ICU)入りした患者の数が3月31日以来最多の420人となった。

これを受け国内メディアは、政府がバーや店舗外での飲酒の禁止、私的なパーティーの禁止や人数制限、
現在1000人まで認められているスポーツ観戦の全面禁止、屋外で運動する人へのマスク着用義務化といった命令を発する可能性について議論している。

政府は8日、外出時や家族以外の人と近距離で接する際のマスク着用を義務化。違反した場合は400〜1000ユーロ(約5万〜12万円)の罰金を科すとした。
この規則は低年齢の子どもや病気などの理由からマスクを着けるのが困難な人、運動中の人には適用されていない。

また英国のジョンソン首相は、感染拡大を封じ込めるためイングランドにおいて警戒レベルに関する新たなシステムを導入すると発表した。
これにより域内各地の警戒レベルは「中間」、「高い」、「非常に高い」に分類される。政府は地方の首長らと連携してレベルを決定するという。

イングランド北西部のリバプールは「非常に高い」地域となり、ジムやパブ、カジノが閉鎖されるなど厳格な措置が取られる見通しとなっている。

英国政府の報告によると、11日の新規感染者数と死者数はそれぞれ1万2872人、65人。
累計での感染者数は60万3716人で、犠牲者は4万2825人となっている。

ドイツではベルリン、ケルン、デュッセルドルフ、エッセン、シュツットガルトといった最大級の人口を抱える各都市が、
この数日間で軒並み急激な感染拡大に見舞われた。

同国の疾病対策機関「ロベルト・コッホ研究所」が12日に発表した新規感染者数は2467人。
過去2〜3日間では4月以来となる1日当たり4000人超の感染者が報告されていた。

累計での感染者数と死者数はそれぞれ32万5331人、9621人。

シュツットガルトはこのほど、軍隊に対して感染策の支援を要請した。
軍隊はこれまでにも国内の一部地域において感染経路の追跡や検査センターの運営などで協力しているが、大都市がこうした要請を行うのはまれ。
https://www.cnn.co.jp/world/35160845.html