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米政治専門ケーブルチャンネル「C-SPAN」は15日、政治編集長が自分のツイッターアカウントがハッキングされたと虚偽申告したことを認めたため、休職処分にした。スティーヴ・スカリー編集長は、同日夜に予定されていたものの中止になった2回目の大統領候補討論会で司会をするはずだった。

ドナルド・トランプ米大統領と野党・民主党のジョー・バイデン大統領候補は同日、タウンホール形式の討論会に参加する予定だった。トランプ氏が新型コロナウイルスに感染したことを受け、米大統領候補討論会委員会(CPD)はバーチャル形式で実施すると発表したが、トランプ氏がこれに反対。両候補が独自に集会を開くことにしたため、CPDは2回目の討論会の中止を発表した。

この2回目の討論会で司会を務める予定だったスカリー氏は、トランプ政権の元広報部長で最近はトランプ氏を厳しく批判しているアンソニー・スカラムーチ氏に、ツイッター上で助言を求めたように見えていた。このやりとりが批判されると、スカリー氏は自分のアカウントがハッキングされたのだと弁明していた。

しかし、スカリー氏は15日、ハッキングされた事実はないと認めて謝罪。自分が司会をすることにトランプ大統領を始め大勢がツイッター上で自分を「たえまなく批判していた」ことに「いらだった」せいで、スカラムーチ氏に宛てて「@Scaramucci  トランプに返事すべきだろうか」とコメントしてしまったのだと説明した。

「翌朝になってこのツイートが、新しい物議を醸してしまったのに気付き、自分のツイッター・アカウントがハッキングされたと、虚偽の主張をしてしまった」とスカリー氏は認め、自分は2つの「判断ミス」を犯したと謝罪した。

このやりとりに先立ち、トランプ氏はスカリー氏を「Never Trumper(決してトランプを認めない共和党員)」と呼んで罵倒していた。

C-SPANがスカリー氏の処分を発表して間もなく、トランプ氏は自分の「直感」が正しかったとツイート。

「またしても自分が正しかった!  スティーヴ・スカリーがたった今、自分のツイッターがハッキングされたというのはうそだと認めた」と書き、2回目の討論会は「仕組まれていた」という従来の主張を繰り返した。

C-SPANは声明で、スカリー記者が14日の時点でうそを認めていたと説明。「この知らせをとても悲しく思うし、その行動を支持しない」としつつ、「この出来事からしばらくたてば、引き続きC-SPANに貢献を続けられることと信じる」と述べた。

スカリー記者は30年近くC-SPANの大統領選報道を取りまとめ、バランスの取れた報道姿勢に定評がある。復帰の予定は不明だが、11月3日の開票報道には出演しないものとみられる。

(英語記事 Top US journalist suspended after false Twitter hacking claims)

(c) BBC News