ヨーロッパでは、新型コロナウイルスの感染が再び急速に広がっていて、16日にはイタリアなど各国で1日の感染者数がこれまでで最も多くなりました。

イタリアでは16日、新たに確認された感染者が1万人を超えて、4日連続で前の日を上回り、これまでで最も多くなりました。

イタリア政府は、屋外であっても人と十分な間隔がとれないところではマスクの着用を義務化したほか、
レストランやバーの営業時間を午前0時までとするなど、対策を強化しています。

またドイツでも16日、1日の感染者が7300人を超え前日に続いて、これまでで最も多くなり、
地域の感染状況に応じて人が集まるところでマスクの着用が義務づけられるなど、対策が強化されます。

さらにオーストリアでも16日、1日の感染者数が1700人を超えてこれまで最も多くなりました。
クルツ首相は来週、さらなる規制の強化について、国内の各州の知事と協議することにしています。

このほか、ベルギーでも、今月12日までの1週間の新たな感染者数が1日平均で5900人余りと、前の週の2倍近くにまで急増しています。

これを受けてベルギー政府は16日、今月19日以降、午前0時から午前5時までの外出禁止や、
レストランやカフェの原則営業禁止などの措置をとると発表しました。


WHO ヨーロッパの感染増加に警鐘


WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は16日の定例の記者会見で、「北半球が冬に近づくなか、
感染者の数は世界的に増えているが、特にヨーロッパでは顕著だ。
先週、ロシアやヨーロッパで新たに確認された感染者の数はことし3月のピーク時よりも3倍近く多い」と述べました。

さらに「亡くなった人の数は3月よりもかなり少ないが、入院する人の数は増えており、
多くの地域では今後数週間で集中治療室の空きがなくなる」と述べ、地域によっては医療体制がまもなく危機的な状況に陥るという懸念を示しました。

そのうえでテドロス事務局長は、北半球でインフルエンザの流行シーズンとなる冬を控え、
医療機関の負担を減らすためにも特に医療従事者と高齢者は優先的にインフルエンザワクチンを接種するよう呼びかけました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201017/k10012668001000.html