「記紀神話の中の南方系神話」

天皇を中心とする朝廷の人々が最も愛着をもっていた物語が「記紀神話」である。
だから「記紀」神話を読み込むことを通じて、 皇室の源流となる地域がどこで
あったかを知ることができる。
さまざまな話を集めた「記紀神話」中のかなりの部分が、南方的な信仰や文化の流
れをひいている。
前に紹介した北方的な要素は一部の神話だけに見られるもので、騎馬民族の文化
の影響は表面的なところに限られている。
そこでこのあと、日本神話の中の南方的要素を持ち込んだのはどのような
人びとだったかを考えていこう。