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東京23区、「区」の廃止表明で「市」への脱却目指す…東京都、財源と権限を収奪し弊害

市への脱却目指す千代田区
実は、東京23区制度は時代遅れと認識される向きが強く、各区からも「特別区制度をやめるべき」との声が出ているのだ。
 
例えば、東京の中心に位置する千代田区は、15年以上前から千代田市になりたいと宣言している。
千代田区が千代田市になったところで、名前が替わるだけだと思ってはいけない。
 東京23区は、本来なら自分たちの税収になる固定資産税・市町村民税法人分・特別土地取得税の3税を東京都に収めている。千代田区の場合、3税で約3300億円の税収を1年間で得ているが、これが一旦はすべて都に収奪されている。
ある千代田区職員は言う。
「千代田区も『3300億円全額を千代田区の財源にしろ』と主張したいわけではありません。
千代田区にはオフィスがたくさんあり、昼間人口は100万人近くまで増えます。
そのオフィスで働く人や学生、買い物に来る人などのためにも案内板の設置、緑化や街の清掃、フリーwi-fiの整備、歩道や公園の整備、図書館をはじめとした公共施設の充実などをしなければならないのです」

世田谷区職員は言う。
「世田谷区の人口は90万人を突破していますが、まだ増える傾向にあります。90万人といえば、政令指定都市に匹敵する人口です。
人口規模だけを見れば、世田谷区が半人前の区のままなのはおかしい。
住民サービスを充実させるためにも市になるという選択は、当然ながら検討されるべきです」

特別区が奪われるのは財源ばかりではない。本来なら市が有する権限も奪われる。
その一例が、都市計画における用途地域だ。東京23区には、用途地域と呼ばれる都市計画の権限がない。
そのため、「地域の実情に合わせた都市開発が進められない」とこぼすのは杉並区の職員。
https://biz-journal.jp/2019/04/post_27564.html