兵庫県明石市は19日、市内のサービス付き高齢者向け住宅「シルバーハウスはやしの南」で、50代の女性職員が、入所する認知症の80代男性を虐待していたと発表した。施設内の防犯カメラに、職員が男性を殴ったり蹴ったりする様子が写っていた。兵庫県警が暴行などの疑いで捜査しており、市は調査チームを立ち上げて実態把握を進める。

 施設によると、虐待をしていた職員は介護福祉士で、月に10回ほど夜勤にあたっていた。施設の聞き取りに「いらいらして殴ったり蹴ったりした」と虐待を認め、9月下旬に自主的に退職した。

 施設は介護事業を行う神戸市須磨区の有限会社が運営。市と施設側の説明によると、夜勤帯に男性入所者のけがが多いことを不審に感じ、男性の個室に防犯カメラを設置。9月20日午後8時から翌朝の午前4時にかけて、女性職員が個室に9回出入りし、そのなかで男性の頭や腹などを殴ったり蹴ったりしたほか、踏みつける様子も記録されていたという。

 同月23日に施設側から市に「職員による虐待があった」との報告があり、市も調査のなかで映像を確認した。市は弁護士の職員4人による緊急調査チームを立ち上げ、事案の実態調査や再発防止策を検討する。泉房穂市長は会見し「重く受け止め、施設の人員や管理の体制などに不備がなかったのか調べる」と話した。

https://www.sankei.com/west/news/201019/wst2010190016-n1.html