https://news.1242.com/article/251994

10月27日、大阪市の担当部局などが緊急記者会見を開き、「大阪市を単純に4つの政令都市に
分割した場合、毎年度約218億円のコストが増加する」という一部報道により市民に誤解が生じ
ているとして、異例の説明を行った。
飯田)大阪の紙面では毎日新聞が最初に1面トップで報じていました。東京の紙面では25面の
社会面でした。都構想を巡り行政コスト増。大阪市を4つの自治体に分割した場合、標準的な行
政サービスを実施するために毎年必要なコスト、基準財政需要額の合計が現在よりも、およそ2
18億円増えることが市の財政局の試算で明らかになったということです。こんなにお金がかかる
のかと、大阪では大騒ぎになっているようです。
1つの自治体を4つの「政令市」に分割すればコストは増えるが、「特別区」ならば同じ
高橋)そういう記事ですよね。財政の専門家であれば、これはすぐにミスリーディングだとわかります。
制度で、1つの自治体を4つの政令市に分割すれば、基準財政需要額が自動的に増えるというのは明らかです。
飯田)4つの政令市に。
高橋)政令市に分割すれば、「人口補正」というのがあり、基準財政需要額が必ず増えるという
ことは、財政を行っている人ならば、即答できます。ただし、4つの「特別区」に分割する場合は
、基準財政需要額は同じということも制度としてそうなのですぐにわかります。その意味でこの
記事を見た瞬間に、これは少し違うと思いました。この新聞では、「4つの自治体に」と曖昧に書いてあります。
飯田)そうですね。書き出しで、「大阪市を4つの自治体に分割した場合」と書いてあります。
住民投票前にこれまでと違う試算を出すことはあり得ない
高橋)これは曖昧に書いてあるので、誤解を招きます。ポイントは市財政局の試算だということです。
その後に、「松井市長はこれを知らなかった」と言っているので、あり得ないことです。住民投票の直
前に、このような異なった試算をマスコミに流すということは、公務員としてはしません。
飯田)ミスリーディングを呼びそうな試算ということですね。
高橋)通常ならば、このタイミングでやるなら、きちんとした手続きがなければなりませんし、
手続きがあったら、住民投票の前なので行いません。
飯田)予断を与えてはならないということですか。

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●高橋)これまでの情報公開の話でしかやりません。これを市で行ったということに、すごく違和感があります。
おまけに、この報道が出る前の日の大阪の番組で、
共産党の方が「218億円があるけれども」ということで松井さんと議論しています。
飯田)「218億円高くなってしまうではないですか」ということですね。
高橋)松井さんは当然知りませんので、「その試算はどこですか?」と言って議論になっています。
これは少しおかしいですね。こういう報道を事前に知っていた人がいる可能性がある。
更に大阪市から出た話なのに、市長は知らなかった。すごくミステリアスな話です。●
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飯田)メディアが独自に試算するというのであればわかるのですが、公に試算を頼んで出してくれるというのが、
そんなことあるのか?」と思いました。民間のシンクタンクに頼むというのであればわかりますが。
高橋)これは大阪市ですよね。
飯田)大阪市の財政局ということならば、予算に関して、財務省に「すいません」と言って
試算を出してもらうようなことですよね。
高橋)そんなことはやらないです。
飯田)そうですよね。驚きました。確かに大阪市のホームページに、説明の見解が出ています。「
複数の報道機関から財政局に対し、大阪市を4市に分市した場合の基準財政需要額と大阪市
の基準財政需要額の比較について試算作成の依頼があった。機械的に作成し、提供したもの
だということです。大阪市を4つの政令市に分割する簡略な方式で試算したもので、今回の特
別区の制度設計の内容に基づいたものではありません」というように書いてあります。
高橋)これは混乱を起こすだけです。おまけにこうしたときに市長が知らないというのはおかしいですよね。