八代妙見祭が1日、熊本県八代市の八代神社(妙見宮)で始まった。新型コロナウイルス感染防止のため、ハイライトの神幸行列など多くの行事は中止になったが、関係者は“八代の宝”ともいわれる祭りの継承を誓っている。

 同神社と同祭保存振興会は8月、参加者と観客の安全や7月豪雨を理由に、祭りの縮小を決定。笠鉾[かさぼこ]や亀蛇[きだ](ガメ)など40の出し物が市内を練り歩く国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の神幸行列、前夜祭の「御夜[ごや]」などを中止することにした。

 1日の神事「注連卸[しめおろし]」では、氏子ら約50人が集まっておはらいを受けた。恒例の獅子舞の奉納はなかったが、小林雄彦宮司(36)は「気を引き締めて、お宮の中でできる神事を続けていく」。同振興会の浜大八郎会長(76)は「出し物の修復など、今年だからこそできることを考えて各団体が取り組んでいる。しっかり、来年以降に継承していく」と力を込めた。神事のみ、規模を縮小して12月1日まで執り行う。

 この日は同神社の鳥居に80個の提灯を下げる「献灯式」もあった。

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