2020.11.6 19:36国際アジア

 【台北=矢板明夫】米国の大統領選同様、3日に投票が行われた太平洋の島嶼(とうしょ)国パラオの大統領選でも、不在者投票分などを集計するのに時間がかかり、結果発表が遅れている。

 現職レメンゲサウ大統領の任期満了に伴う選挙で、実業家のウィップス元上院議員とオイロー副大統領の対決となった。現地紙などによると、4日に発表された暫定結果では、ウィップス氏が4640票を獲得したのに対し、オイロー氏は3438票だった。

 中国と外交関係を持たないパラオは台湾の友好国で、レメンゲサウ氏は今年9月の国連総会で台湾を応援する演説を行い、台湾メディアに大きく取り上げられた。

 ウィップス氏は選挙戦でレメンゲサウ氏の外交政策を継承し、引き続き台湾との関係を重視することを訴えたが、オイロー氏は「パラオには敵はいない」と訴え、中国との交流も推進することを主張している。

 推定人口約1万8千人のパラオは、世界で数少ない新型コロナウイルスの国内感染者ゼロを維持している国だ。外国人の入国を厳しく制限するなどの防疫対策が奏功した形だが、経済の主要な柱である観光産業は大きな打撃を受けている。

https://www.sankei.com/world/news/201106/wor2011060027-n1.html