米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)は5日、2020年7〜9月期に購読料収入の内訳で、電子版やアプリ
販売などのデジタル関連の収入が紙媒体からの収入を上回ったと発表した。四半期ベースでデジタル購読料
収入が「紙」を上回るのは初めて。最大の収入源を紙の新聞販売からデジタル購読料に切り替える戦略が順調に進んだ。

7〜9月期の売上高は、前年同期比ほぼ横ばいの4億2689万ドル(約442億円)だった。純利益は約2倍の3357万ドル。
電子版の購読者増が増益に貢献した。前年同期はリストラ関連費用などの特殊要因が利益を押し下げていた。1株
利益は0・.20ドルと、市場予想(0.14ドル程度)を上回った。

9月末時点での電子版の有料読者数は前年同月末比46%増の466万5千人となった。今春、購読料を15ドルから17ドル
に引き上げたが、読者増の鈍化は起きていない。クロスワードや料理レシピのスマートフォン向けアプリを含めると
デジタル関連の有料会員数は600万人を超えた。

9月に就任したメレディス・コピット・レビアン最高経営責任者(CEO)は「有料購読する価値のあるジャーナリズム
を提供するという戦略が正しいことが証明された」と語った。

NYTは「25年までに購読者数1千万人達成」を経営目標に掲げているが、10月末時点で、電子版とアプリ、紙媒体を
合わせた総有料読者数は700万人に達したという。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65901930W0A101C2I00000/