1月9日に第14回目の新型コロナウイルス感染症対策分科会が開催された。
その後、尾身茂会長と脇田隆字・国立感染症研究所所長が記者会見を開き、14回目の会合で提出された緊急提言について説明を行った。

尾身会長は「欧米のようになることは絶対に回避したい」と強調し、社会経済活動との両立を今後も続けるためにも、
急激な感染拡大の予兆が見えている現段階で対策を強化する必要性を訴えた。


また、2つ目のポイントとして情報発信を掲げた背景には専門家や政府が発信するメッセージが「なかなか伝わっていない」
「伝わっても、心に染み込まない」という実感があるからだという。

「専門家や政府のお偉いさんが、また同じことを言っているな、と。なかなか行動変容につながっていないのではないか」
若者へ適切な情報を発信するためにも、興味を持ってもらう工夫が必要であると尾身会長は語っている。

今回の記者会見で質問が相次いだのが北海道の感染状況への見立てや、冬になり気温が低下することの感染拡大への影響だ。

現在、北海道では10万人あたりの感染者数が15人を超えるなど、感染拡大が続いており、
鈴木直道知事は一部エリアでの時短営業を求める方針を固めている。

また、分科会は冬に向け、寒冷地の飲食店では二酸化炭素濃度をモニターし、
一定の基準を超えた場合に換気を行うなど具体的な指針を示すことが必要であると政府に提言している。

脇田所長は現在の北海道の感染拡大は札幌の歓楽街・すすきのが中心となっているとの分析がなされていると説明し、
接待を伴う飲食店だけでなく通常の飲食店での会食でも感染が拡大している状況になっているとした。

すすきの地区での集中的な検査や時短営業が「効果的になれば、ある程度(感染は)抑えられてくる」と語っている。

Go To トラベルから北海道を除外することなどについては、今回の緊急提言では触れられていない。

この点について尾身会長は「Go Toというのは社会経済の戻る中のほんの一部」であるとの認識を示した上で、
「Go Toだけを取り上げてもしょうがない」とコメントするにとどめた。

尾身会長は今、感染状況が変化している背景には「社会全体の経済活動を少しずつ元に戻したい気分」があると分析している。

「みんな長く自粛してきた、その中で感染のしやすい場面はわかっているんだけれども、
相変わらず感染は続いているし、増えてきているのが現実です」

「欧米のようになることは絶対回避したい」と、尾身会長は断言。
「今(ステージが4段階のうち)3になる予兆が出てきている。フルスペックの3にはしたくない。ましてや、ヨーロッパのようなことは絶対にしない」

ステージ4になれば、緊急事態宣言などより強力な対策を行うことが必要となる。

改めて再度の緊急事態宣言発出へと至らないために、この段階で手を打つことが重要であると繰り返し強調した。
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/senmonka-bunkakai-14
https://img.buzzfeed.com/buzzfeed-static/static/2020-11/10/5/asset/3b1ef5ed41de/sub-buzz-13062-1604987484-7.jpg