菅義偉首相は10日の衆院本会議で、旅行需要喚起策「GoToトラベル」事業について「現状では北海道を対象地域から外すことは考えていない」と語った。北海道では新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあるが、感染防止策に取り組みながら事業を継続する考えを示した。
政府の新型コロナ感染症対策分科会は、感染状況が4段階のうち「ステージ3(感染急増)」まで悪化した都道府県について、感染リスクを総合的に考慮した上で事業からの除外を検討するよう提言している。北海道は現在、政府の基準ではステージ2(漸増)で、首相は「感染状況を踏まえつつ、専門家の意見をいただきながら、適切に運用していく」と述べた。

 本会議に先立ち、首相は北海道の鈴木直道知事と首相官邸で会談。鈴木氏から支援要請を受け、「しっかりと連携して対応していく」と応じた。鈴木氏は会談後、記者団に「GoToトラベルを理由とした感染が相次いで確認されているわけではなく、国のステージ3にはなっていない」と強調した。

 北海道の除外に関し、加藤勝信官房長官は9日の記者会見で「政府としては、提言に沿って対応していきたい」と述べ、感染状況が悪化してステージ3になった場合には検討する考えを示していた。

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