滋賀県は11日、新型コロナウイルスの検査数の集計に漏れがあったと明らかにした。4〜10月に実施したPCR検査と抗原検査のうち、陰性判定の約4500件を計上していなかった。人手不足が一因という。陽性者数は全て計上していたが、検査総数を正確に把握していなかったことで、感染拡大の警戒レベルを判断する指標の一つである陽性率を過大に算出し、公表していた。

 川崎辰己・県健康医療福祉部長は同日の県議会委員会で「実態に即した情報提供ができていなかった」として陳謝した。警戒レベルの判断には影響がなかったとした。

 県によると、未計上分のうち約2500件は、4〜10月に1病院で実施された検査の陰性判定分。病院が住所や性別、年齢など詳細な報告を8月から数回、大津市保健所にしていたが、保健所から県への報告が10月下旬にまとめて行われたという。残る約2千件は、8〜10月に複数の医療機関から県に報告のあった陰性判定分の一部で、県職員が陽性者への対応などに忙しく集計できなかったという。

 県はこれまで、2〜10月の検査数を計約1万5千件としていたが、実際は2万件近くだったことになる。陽性率をこの全期間で計算すると、4%台から3%台に低下する。

 新型コロナウイルスの検査は、今月から県内の一般の診療所でもできるようになり、検査数の増加が見込まれている。県は実態により即した統計にするため、11日から、県への報告日ではなく検査実施日を基準に集計する方式に改めた。

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