【ニューヨーク=吉田圭織】米国で新型コロナウイルスの新規感染者や死者数が増え続けている。死者数は8月の「第2波」の水準を上回り、各地で外出制限などの規制導入を急いでいる。米国では約1週間後に人の集まる感謝祭を控えており、感染拡大への警戒が強まっている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の調べによると、米東部時間18日午後5時30分(日本時間19日午前7時30分)時点の感染者数は累計で1140万人を超え、死者数は約25万人となった。

感染ペースは加速しており、新規感染者数(7日移動平均)は15万7千人と過去最多を更新した。新規死者数は1156人と、第2波のピークとなった8月1日の1138人を上回った。

米国の感染状況を分析する「COVIDトラッキング・プロジェクト」によると、30を上回る州・地域で新規感染が最多を更新している。

感染拡大に伴って、行動規制を導入する州が増えている。南部ニューメキシコ州では16日に外出制限を始め、必要不可欠な業種以外は営業を2週間禁じた。中西部のオハイオ州のデワイン知事は17日、12月上旬まで夜間外出制限を導入すると発表した。中西部アイオワ州は17日から3週間、屋内の公共の場でマスク着用を義務付け、バーやレストランの屋内営業時間も制限した。

今春の第1波で震源地となった東部ニューヨーク州では感染が再び広がり、死者数も増えている。ニューヨーク市のデブラシオ市長は18日、「(学校閉鎖の基準となる)7日平均の陽性率が3%に達した」とツイッターに投稿し、19日から公立学校を休校にすると発表した。公立学校の対面授業は10月1日に再開したばかり。今回の休校後の再開は最短で12月第1週となる。

米国では26日に家族などが集まる感謝祭を控えている。ニューヨーク州のクオモ知事は「サンクスギビング(感謝祭)後には感染が急増する」と警告し、例年通りの集会を自粛するよう呼びかけている。

感染拡大を踏まえ、米食品医薬品局(FDA)は自宅で受けられる検査を17日に緊急承認した。14歳以上であれば検体の採取から結果の確認まで自らできる仕組みになっており、30分ほどで結果が出るという。

2020/11/19 6:22 (2020/11/19 8:16更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66401670Z11C20A1000000/