「なまはげ」もソーシャルディスタンス 訪問時間は短く、大声出す時は距離を 秋田 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20201120/k00/00m/040/201000c

毎日新聞2020年11月20日 19時13分(最終更新 11月20日 19時13分)

新型コロナウイルスの影響が、秋田県・男鹿半島に伝わる大みそかの伝統行事「なまはげ」にも及んでいる。実施方法について菅原広二・男鹿市長は20日の記者会見で市内87町内会に感染症対策を依頼する文書を郵送したと発表。家々への訪問を短くしたり、「ウオー」と大声を出す時には間隔を空けたりするなど、今年の男鹿は異例の大みそかになりそうだ。

市によると、文書では「なまはげ」役に対し▽消毒の徹底▽事前の体温測定や健康チェック▽酒の回し飲みを避ける▽参加者の連絡先を控える――などを要請。なまはげを迎える各家庭に対しても、なまはげにふるまう食事は大皿を避け、こまめな換気をするよう呼びかけている。

菅原市長は「これは市として最低限お願いしたい対策。実施する時にはさらに各地の町内会ごとに適切な方法をとってほしい」と話した。

市によると、市内148町内会のうち過去3年間でなまはげ行事を実施したのは93町内会。そのうちすでに2020年の中止を決めたのは6町内会で、実施を表明したのは7町内会にとどまる。

実施を決めた町内会は、なまはげを家に上げない▽迎える家は希望制にする▽大声を出さない――などでコロナや感染症対策をするという。

毎年2月になまはげが勇壮に乱舞する柴灯(せど)祭りの会場でもある真山神社宮司の武内信彦さん(69)は「なまはげ行事は豊作を祈り感謝するとともに、家の悪霊を払うという意味もある。どんな形でも継続が一番大事だ」と強調した。【猪森万里夏】