郡和子仙台市長が市内の新型コロナウイルスの感染状況に関し「爆発的な拡大はない」との認識を示したことを巡り、20日の市議会総務財政委員会で、議員が「市長の認識は現状と合致していない。あまりにピントがずれている」と痛烈に批判する場面があった。

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 問題視したのは17日の定例記者会見の発言。郡市長は「感染が爆発的に拡大しているという認識はない。クラスター(感染者集団)に由来する患者が多く、人数として増えている状況にある」との見方を示した。

 感染が広がる場面の一つの会食に関しても「これからの(忘年会)シーズンはおいしい食材もある。店も利用客も感染対策をしっかり取った上で、お楽しみいただきたい」と語った。

 議員は全国で感染拡大の第3波が到来と受け止められている状況、県医師会が19日に「医療危機的状況宣言」を発表したことに触れ「市民と市長が感じる現況に差異があってはならない。市長はよく考えて発言してほしい」と指摘した。

 会田義克新型コロナ感染症対策調整担当局長は答弁で「感染者の多くはクラスターによるものや患者の濃厚接触者で、つながりが比較的追えているのは事実」と市長発言を擁護する一方、「医師会の発表を聞き、医療現場の深刻な危機感を確認した。重要な局面だと認識している」と釈明した。

河北新報 2020年11月21日 土曜日
https://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/202011/20201121_11018.html