■重い書類送検の意味 メディアが心がけるべきこと
 
 以上のような経緯を考えると、今回の書類送検は極めて重いものと言えよう。もちろん、
不起訴となる可能性はあり、現時点で被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストを犯罪者呼ば
わりすることは適切ではない。
  
 その意味でBuzzFeedが言うF「SNSの発信や情報の拡散には、事実を踏まえた上での慎重
さと冷静さが必要」というのはもっともな意見。ただし、それは山口敬之氏に対しても同様で
あることを忘れるべきではない。山口氏は刑事は不起訴となり、検察審査会は不起訴相当と
判断されたが、民事訴訟の一審で被告として一部認容判決を受けただけで犯罪者呼ばわりされる
謂れはない。報道する者はその点をよく考えてから、ペンを走らせるべきである。
 
※伊藤詩織氏の呼称:通常、書類送検された時点で被疑者であり呼称を「容疑者」とすべきと
考えますが、東京地検が書類送検の事実を明らかにせず、確認ができないことから「伊藤詩織
ジャーナリスト」とし、適宜、「被疑者とされる」を冒頭に付しました。書類送検の事実が確認
できた時点で当サイトでは「容疑者」の呼称に切り替えます。