誰に何を恥じることはない。
衣食住が足り、昔よりも生きやすくなった。しかし、心に焦りや不安が前にも増して増大し、考えなくてもいいような事で悩み、苦しみ、絶望の淵に立つ。

幸せとは何かと自問自答し、金のないことに自身を責め、子育てすらできない不甲斐なさを責め、申し訳ない気持ちに苛まれて、自暴自棄となる。

果たして本当に、幸せとはそんなことなのだろうか。
生きる活力だと信じていた、妻や子供や財産でも、
死ぬときは皆一緒で裸一貫で旅に出る。
この無常な世に生まれてきた時と全く一緒の真っ裸。
なにも自分が選んだ訳ではない。なぜか裸で産み落とされただけ。 幸せを見つけたならそれでいい。だが、幸せってやつが分からないのなら、まだ生きる必要がある。ただただそれだけ