2017年に神奈川県座間市のアパートで男女9人が殺害された事件の裁判で、「虫も殺せない子どもだった」とする白石隆浩被告の母親の供述調書が読み上げられました。

 白石隆浩被告(30)は2017年、座間市のアパートで男女9人を殺害し、現金を奪うなどした強盗強制性交殺人などの罪に問われていて、起訴内容をすべて認めています。

 24日の裁判では、白石被告の母親の供述調書が読み上げられました。母親の調書によりますと、白石被告は「虫を殺すこともできないような子ども」で、高校を卒業するまでに3回、家出をしたことがあったということです。この家出について母は、「隆浩は自殺について(インターネットで)調べていたので、自殺のための家出だったと思う」とした上で、白石被告が「生きていても仕方がない」と話すこともあったということです。また母親は、「亡くなった9人には謝りきれない」としました。白石被告は調書が読み上げられる間、被告人席から前のめりになって聞いていました。

 これまでの裁判では、被害者9人全員の審理が終わっていますが、24日の裁判では審理を総括する被告人質問が行われました。この中で白石被告は「遺体と2か月間、一緒にいたが、何を思っていたか」と問われると、「『証拠の処分をしなければ』とか、他にやり取りをしている人でお金を引っ張れる人はいないかと考えていた」と明かしました。さらに、「遺体を解体しているときの心境は」との問いには、「やらなければ捕まってしまうと思い、必死だった」と答えていました。

 24日の裁判では、白石被告の精神鑑定を担当した医師の証人尋問も行われ、医師は「白石被告には当時も今も、精神障害が認められない」と証言しました。25日は、被告人質問と被害者遺族の意見陳述が行われます。

24日 19時05分 TBS
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4135100.html