https://news.yahoo.co.jp/articles/8cab314df4c5b5e5bbbb73df9948b3ea6407ea69
 未だ世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。しかし一方で、新型コロナウイルスなど存在しないという陰謀論も一部の人々には根強い支持を集めている。
そんな陰謀論を信じたとある男性が辿ったあまりに悲しい出来事が今、SNSで注目を集めている。

■手の甲にトランプ大統領のタトゥー
アメリカ人男性のドンさんは根っからのドナルド・トランプ支持者。
その熱の入れっぷりは自身の手の甲にトランプ大統領のタトゥーを入れていることからも窺える。
ドンさんは5月8日、Facebookに自身の写真と共に、
「いいアイデアがある。私に新型コロナウイルスを注射してくれ。もし私が死んだらこの馬鹿げた戯言が、正しかったということだろう。
でも、もし私が死ななかったら、これが政治的な陰謀だったことが証明される!」と熱く語った。

どうやらドンさんは、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために行われたロックダウンはアメリカ経済を滅ぼすため仕組まれた罠であり、
最終的に国家を国連に引き渡すために行われた政治的なゲームである、と考えている様子。
一貫して新型コロナウイルスを軽視するトランプ大統領からの影響を大きく受けているのだろう。

■友人がドンさんへの複雑な想いを吐露
しかしそれから数日後、事態は急変する。なんとドンさんは、自身が新型コロナウイルスに感染したのだ。
実際にドンさんがウイルスを注射したかは定かではないが、「今は病院の集中治療室にいる」とFacebookで明かした。
そして、「友人たち、親族、そして息子のティモシーと娘のビクトリアのことを私は心の底から愛しています。
あなたたちのおかげで、私の人生は大きく変わりました。感謝しています」と家族への愛を語った。

しかし、ドンさんはショッキングな現実を伝える。
「私は新型コロナウイルスによる合併症と毎日戦っています。今夜は人口呼吸器を付けることになりそうですが、これは私の終わりを意味しています。
”その時”への準備はできています」と自身が死を迎えつつあることを悟ったのだ。
そしてドンさんは投稿の最後に、「トランプ大統領頑張れ!左派の陰謀を打ち破ってくれ!Make America Great Again!」と、
最期までトランプ大統領へラブコールを送り、新型コロナウイルスが陰謀論であることを信じ続けた。

ドンさんがこの投稿をした翌日、男性の友人とみられる人物がドンさんの投稿を編集し、コメントを付け加えた。
「親愛なる友よ、なぜだ。私はトランプと彼の貧弱なリーダーシップを非難します。残念ながらドンはトランプを崇拝していました」
「ドンのために祈ってください。あなたが天国にいることはわかっています。あなたは頑固な男だったかもしれませんが、とても誇り高く、
子どもたちのことを命よりも愛した父親でした」と、ドンさんへの複雑な想いを綴った。

■コロナ陰謀論による犠牲に歯止めを
ポッドキャスト番組「Minion Death Cult Podcast」が、ドンさんにまつわる一連の出来事を11月11日、Twitter上でシェア。
するとこの投稿は瞬く間に拡散し、9000件を超えるリツイートと、2万8000件もの「いいね」を獲得し、大きな反響を呼んだ。

トランプ大統領は一貫して新型コロナウイルスを軽視する姿勢を取り続けているが、その一方で影響を受けたドンさんのような支持者が
新型コロナウイルスの犠牲となっていることを忘れてはならない。
バイデン氏がこの悲惨な状況に歯止めをかけてくれることを祈る。