イランで核開発分野の中心的役割を担っていたとされる科学者が暗殺されたことをうけ、ロウハニ大統領は、適切なタイミングで報復を行うと明言しました。

 イラン国防軍需省・研究開発部門トップの科学者、モフセン・ファクリザデ氏は27日、首都テヘラン郊外で移動中に襲撃をうけ、殺害されました。

 ロウハニ大統領は28日、国営テレビで演説を行い、「このような犯罪行為に対してイランが勇猛に対応することを敵は知っているはずだ」と述べたうえで、「適切なタイミングで関係当局が犯罪行為への報復を行うだろう」として、初めて報復を明言しました。

 報復の対象となる組織や国については明らかにしていませんが、ザリフ外相は、イスラエルの関与を示す重大な痕跡がある、と指摘しています。

 今回暗殺されたファクリザデ氏とは別に、イランではこれまでにも2010年から4人の核科学者が暗殺されていて、イランはイスラエルの関与を指摘しています。

 イランが何らかの形で報復行為を行えば、アメリカの次期大統領就任が確実視されているバイデン氏は、対話路線に重きを置く外交方針に見直しを迫られる可能性があり、地域の安定化に向けた道筋に暗雲が立ちこめています。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4138376.html