【ワシントン時事】米海軍は30日、整備中の火災で船体が大きく損傷した米海軍の強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」の修理を諦め、退役させる方針を議会などに通知した。複数の米メディアが報じた。

同艦では短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35Bを搭載するための改修が行われていた。中国が海軍力を急速に増強する中、貴重な強襲揚陸艦を失うことは米軍にとって大きな痛手となる。
 
ボノム・リシャールをめぐっては、7月にカリフォルニア州サンディエゴの海軍基地で整備を受けていたところ、車両保管エリアから出火した。火は数日間にわたって燃え広がり、飛行甲板を含む船体の6割が損傷。元通りに修復するには最高32億ドル(約3300億円)かかることから、「退役させるのが最善策と判断」(海軍幹部)した。
 
ボノム・リシャールは佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備されていたこともある。放火の可能性も視野に調査が続いており、調査終了後に解体される見通し。

2020年12月01日09時18分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120100345&;g=int
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