デジタル庁が設立され、国民一人ひとりに菅首相が待ち受け画面の「スガスマホ」が配られる――。岡三グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創氏が2021年の「とんでも予想」リポートを発表した。パロディーを取り入れた自由な発想で相場の「想定外」に備える重要性を説いており、スガスマホなど10のシナリオを紹介した。

米製薬大手ファイザーのコロナワクチン実用化を手がかりに世界の株価が騰勢を強めているが、高田氏はあえて「コロナ特効薬で株価暴落」のシナリオを描いてみせた。金融政策の超緩和が正常化され、財政支援策がなくなるとの不安がパニック売りにつながるという。

シナリオはこのほか、「エルニーニョで世界中が水没」「日本でも独身の日」など。

マーケットでは、確率は低いが発生すれば非常に大きな損失をもたらすリスクを「ブラックスワン(黒い白鳥)」、高い確率で存在するのに軽視されがちなリスクを「グレーリノ(灰色のサイ)」になぞらえる。

20年の株式相場はほとんどだれも予想していなかった新型コロナウイルスに翻弄されただけに、「動物園めぐりが21年も必要」という高田氏の主張も説得力を増す。

2020/12/2 20:30 日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66922370S0A201C2EN2000/