スーパーマーケットやドラッグストアなど、流通やサービス業界で働く人の5人に1人が、新型コロナウイルスが影響した客からの暴言などを受けたと回答したことが労働組合の実態調査でわかりました。

この調査は流通やサービス業界で働く人たちの労働組合で作る産業別労働組合「UAゼンセン」がことし7月から9月に行い、組合員およそ2万7000人から回答がありました。

それによりますとこの2年間に客から暴言などの迷惑行為を受けたと回答したのは1万5256人と56.7%に上りました。

全体の20.3%、5477人が新型コロナウイルスの感染拡大が影響した迷惑行為を受けたと答えました。

これを業態別でみると
▽ドラッグストアは66.6%、
▽スーパーマーケットは43%と割合が高くなっていて、
社会や暮らしを支えるいわゆる「エッセンシャル・ワーカー」が多くの被害を受けている実態が浮き彫りとなっています。

迷惑行為を具体的に聞いたところ、
▽レジでお金を渡す際に「コロナがうつる」と大声でどなられたり
▽マスクをしているため声が聞き取りにくいと暴言を吐かれたり
▽スーパーの営業が感染拡大を助長していると責められたり
▽店への入場制限をしていた同僚が客から暴力を受けたなどというケースがありました。

この2年間に受けた迷惑行為の内容をみると
▽「暴言」が39.3%、
▽「同じ内容を繰り返すクレーム」が17.1%、
▽「威嚇・脅迫」が15%などとなっています。

中には暴力を受けたり土下座を強要されたりしたケースもありました。

「迷惑行為」のきっかけを聞いたところ
▽「客の不満のはけ口や嫌がらせ」が33.1%、
▽「接客やサービスのミス」が21.8%、
▽「消費者の勘違い」が15.2%などでした。

対応について複数回答で尋ねたところ、
▽「謝りつづけた」が44.4%、
▽「上司に引き継いだ」が35.6%、
▽「きぜんと対応した」が33.1%でした。

迷惑行為の影響については
▽「嫌な思いや不快感が続いた」が49.9%、
▽「同じようなことが起こりそうで怖かった」が7.5%で、
精神的なショックから体調を崩し病院で治療を受けたという人も相次いでいます。

また迷惑行為について「特に対策がされていない」と回答したのは43.4%に上りました。

UAゼンセン流通部門の安藤賢太副事務局長は「感染への不安を感じながら働いている上に店の客などから心ない暴言を受け体調を崩してしまうケースが相次いでいる。新型コロナウイルスの影響による迷惑行為も多くなっているが、感染防止の対策を徹底してもクレームなどを防ぐことができないのが実態だ。職場だけにとどまらず社会全体で対策を進めていくことが重要だ」と話していました。

■「つらさ」訴える声相次ぐ

今回の調査では新型コロナウイルスが影響した客などからの迷惑行為については「菌がうつるから近寄るなと言われた」とか「想像を絶する程の問い合わせ、クレーム、謝罪。現場は激務と混乱の日々」などという記述もありそのつらさを訴える声が相次いでいます。

また、「丁寧に対応しても怒る人もいてストレスが溜まり耐えがたい」とか、「こちらも感染リスクを抱えながら接客。イライラのはけ口にされ、正直続ける自信がなくなった」「目の前で大声で怒鳴られ、ただただ恐怖」という声や「理不尽な事を言いつけられ精神的に参っていた。従業員も人であり状況は同じ」などという記述もあります。

以下ソース先で

2020年12月3日 6時49分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201203/k10012743141000.html?utm_int=news-ranking_social_list-items_006
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201203/K10012743141_2012022201_2012030649_01_04.jpg