米国で新型コロナウイルスの感染拡大が、ここに来て加速している。

1日当たりの新規感染者数が、連日のように過去最多を更新。11月下旬の感謝祭休暇で人の移動が活発化したことを受け、
専門家からは「感染のピークはこれからだ」と警戒する声も出ている。

ワシントン・ポスト紙の集計によると、米国で4日に報告された新規感染者数は過去最多の約23万人で、3日連続で20万人台となった。
過去7日間の平均では、9月時点のほぼ5倍だ。

感染が広がった今年夏と比べ、最近は重症患者が増えているのが特徴だ。
1日当たりの新規入院患者が急増し、死者数も2500人超。ピークだった4月に匹敵する水準となっている。

西部カリフォルニア州のニューサム知事は3日、大半の地域に「自宅待機令」を出し、家族以外との集まりや飲食店の営業を規制すると発表。
バイデン次期大統領は同日、CNNテレビのインタビューで「(来年1月20日の)就任から100日間、マスクを着用するよう国民に求める」と述べ、
感染拡大防止策の徹底を呼び掛けた。

だが、感染症の権威であるファウチ国立アレルギー感染症研究所長は、ワシントン・ポスト紙に
「感謝祭後のピークはまだ来ていない」と指摘。休暇中に感染した人の発症が、今後増加すると予想する。

クリスマスから年末年始にかけての休暇で旅行や帰省、人の集まりが再び増えれば、感染拡大に拍車をかけるという懸念も強い。

疾病対策センター(CDC)は3日、新型コロナによる死者が今後4週間でさらに増加し得るという予想を公表。
20日からの1週間だけで最大1万9500人が命を落とし、4日時点で累計約28万人だった死者数が「30万3000〜32万9000人に上る可能性が高い」と警告した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120500409&;g=int