三重県の津市議会12月定例会で9日までに、市と不適切な関係があるとして問題視されている同市相生町自治会に関する質問が各議員から相次いだ。前葉泰幸市長は「特定の市民」に市職員が土下座をして謝罪したことや丸刈りになった事実があることを認めた。桂三発議員(一期一会)の一般質問に答えた。市は土下座や丸刈りに至る経緯で「特定の市民」からの強要の有無を調査しているが、刑事告訴については明確な答えを示していない。一部の議員からは市が告訴し、捜査機関に問題の全容解明を求める声が上がっている。

 桂議員は取材に対し、自身も今年の3月、相生町自治会長に土下座した経緯があることを明かした。加藤美江子議長(公明党議員団)と安積むつみ議員(同)も取材に応じ、平成30年12月、同自治会長に市役所で因縁を付けられてどう喝され、謝罪を強要されたことを明らかにした。

 加藤、安積の両議員に対する謝罪の強要については、市の幹部職員が関与したという指摘も出ている。堀口順也議員(同)は先月30日の緊急質問で、30年12月、本会議開会前に同自治会長に対し、複数の市幹部が市役所で「土下座をした」と指摘した。

 市幹部は「本会議の開会に間に合わせるため、座っていたその方と目線を合わせようと地面に膝を付き『お願いします』と言っただけ」と土下座を否定。堀口議員は複数の市幹部が土下座したため、その場に同席させられた加藤、安積の両議員も同自治会長に謝罪せざるを得なくなったと主張した。加藤、安積の両議員も取材に「市幹部の土下座はあった」と話している。

 相生町自治会を巡っては、自治会がごみ集積所に設置したごみ箱を巡り、市が補助金を不正に支出した疑いがあるとして、川口和雄議員(津和会)が9日の一般質問で、津地検に市を刑事告発する考えを明言。川口議員は自治会長と市幹部によるパワハラで退職に追い込まれた職員がいるとして、強要罪でも市を告発する考えを示した。

2020/12/10 10:00  株式会社伊勢新聞社
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