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新型コロナウイルスをめぐる一連の対応に加え、桜を見る会の疑惑、検察官の定年延長、学術会議、そして政権交代、元大臣経験者をめぐる政治とカネの問題など、様々なテーマに揺れた今年の国会。

この1年間、そんな国会で繰り広げられた「珍答弁」や政治家の口から飛び出した「名言」の数々をあつめた「#国会流行語大賞2020」がネット上で有志によって開かれている。

安倍晋三前首相や菅義偉首相、さらには閣僚、野党幹部など、39の発言がピックアップされている。投票は12月13日まで受け付けているという

「意味のない質問だよ」(安倍晋三前首相)
「全集中の呼吸で答弁させていただく」(菅義偉首相)
「つまんないこと聞くね」(麻生太郎財務相)
「お分かりいただけましたか。日本語、分かっていただけましたか」(茂木敏充外相)
「反省しているんです。ただ、これは私の問題だと思うが、反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えない、というご指摘は、私自身の問題だと反省をしている」(小泉進次郎環境相)

このようなラインナップが集う「#国会流行語大賞2020」を主催しているのは、議会政治について執筆するライターの平河エリさん。

戦略マーケティング企業のCEOのかたわら、国会をわかりやすく解説する狙いのメディア「読む国会」を運営している。
日々国会をウォッチし、その様子をツイートしている「国会クラスタ」の人たちの協力を得て、以下の条件に合う発言を候補としてまとめた。12月11日現在で、与野党から39個が集まっている。

2020年12月1日時点で「現職」の国会議員、または大臣である人間が「発言」したもの

ツイート、記事執筆等、文章のものは含まない

本人が発言を認めた、複数のソースが発言を認めたなど、発言の確認が取れたものに限る

安倍前首相は歴史に残る?

平河さんは、BuzzFeed Newsの取材に対し、今回はじめて「流行語大賞」を企画した理由をこう説明する。

「国会も次々新しいことが起こるので、どうしても半年以上前のことは忘れがちです。しかし、やはり政治のことというのは定期的に忘れずに思い出すことが重要で、その意味では『流行語大賞』というくくり方は思い出しやすく、シェアもしやすい」

「国会クラスタ」の人たちとともに選考する過程で目立ったのは、やはり安倍前首相の発言の多さだったという。

桜を見る会にはじまり、12月になって特捜部による捜査開始が明らかになったが同会前夜祭、さらには検察人事への介入やコロナ禍の初期対応などを振り返れば、「2020年は安倍前総理の年だったと言っていいと思います」とも指摘する。
「安倍前総理はやはり、一単語一単語にインパクトがありますね。いい意味でも悪い意味でも歴史に残る宰相であることは間違いないと思います」

一方で野党はここでも目立てていない、ともいう。エントリーしているのも、39中8個に止まり、「野党議員ももちろん、個々で見るといい質疑や印象深い発言があるのですが、やはり政権の答弁のインパクトに比べれば霞んでいる印象です」と語る。

「政治というのは改めて、いいことや普通のことを行ってもなかなか取り上げられないし記憶にも残らないのだと感じました。その中でも辻元清美議員(立憲)はさすがだと思います。やはり、ワードセンスと言うか、取り上げられ方まで意識されて答弁を選ばれている。長年第一線で活躍されてこられただけあるなと思いました」

「また、矛盾や破綻した答弁を引き出すのは丁寧な質疑であり、例えば桜を見る会で言えば、総理の発言よりも田村智子議員(共産)の質疑のほうが本質的には重要です。この企画の趣旨からは外れてしまいますが、本来、1年の終わりに取り上げられるべきはそちらの方である、ということも合わせて申し添えておきたいと思います」


(以下ソースで)