「『心の国』日本と『物の国』英国!」内外出版印刷 新庄楓亭 1938(昭和13)年

四 日本の正義とは何ぞや、世界に正義を鼓吹する日本、日獨伊の心の陣營

・・・英國ほど眼中利益を計ることのみに汲々たる物質主義な國は他にあるまい。
彼は物以外に世界も無く、物を離れて生きる道を知らざる、物慾の亡者、唯物功利の現化に堕せるものであって、
英語字典より正義とか、人道とか、平和とかの語字を抹殺すべきことを勧告せざるを得ない。

六 英國の保有せる尨大な領土の無理と不自然より生ずる世界的四大弊害

ここに於てか英國はこの避け難い不安に備え、国力の缺闕を補はん為に年来伝統のお家芸たる
悪辣外交に一層の馬力をかけてカムフラージュせんとするのである。
曰く離間策、嚙み合せ策、曰く欺瞞懐柔策、便宜両面策、而して之を装うに老獪陰険なる偽善の仮面を以てし、
之を行うや冷酷貪慾なる利己打算に徹底してをるのだから世界の各国こそたまったものではない。