134億光年先の最も遠い銀河を同定
最遠方銀河から酸素と炭素を検出

理学系研究科・理学部
掲載日:2020年12月16日


https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400151266.png
最遠方銀河GN-z11
上図: GN-z11の画像。矢印の先にあるのが宇宙で最も遠い銀河GN-z11。
下図: 銀河GN-z11からの炭素の近赤外線スペクトル。銀河を出た時は波長1907オングストローム、1909オングストロームの紫外光でしたが、赤方偏移されて波長2.28マイクロメートルの赤外線として観測されました。このほかに波長2マイクロメートルの酸素も観測されました。
©2020 柏川伸成



東京大学大学院理学系研究科の柏川伸成教授の研究グループは、銀河GN-z11から3本の紫外線輝線を検出し、この銀河が134億年かなたにある銀河であることを確定しました。この銀河は、これまでハッブル望遠鏡の観測によって、非常に遠方にある銀河ではないかと言われていましたが、正確な距離は測定されていませんでした。今回の観測結果でこの銀河が赤方偏移10.957であることが初めてわかり、人類が目にした最遠方の銀河であることが確定されました。

宇宙で最初に生まれた銀河はいつどのように生まれたのだろう?この謎に対する答えを求めて、人類はこれまで宇宙の果てにいる最も遠い銀河を探し続けてきました。これまでも次々に最遠方記録が塗り替えられ、わたしたちの知る宇宙のフロンティアはどんどん広がってきました。そんな中、最近ではGN-z11という銀河が研究者の間で注目を浴びていました。この銀河はハッブル宇宙望遠鏡によって発見され、遠方銀河に特徴的なスペクトルの段差らしきものが見つかったことから、おそらく約134億光年先の銀河だろうと推測されていましたが、地球からの正確な距離は測定されていませんでした。
     ===== 後略 =====
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https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0508_00090.html