初詣なんか昔はなかった。
正月の初詣なんて習慣ができたのは大正の終わりから昭和の初め頃。
郊外に私鉄が作られるようになり、その沿線の寺や神社に正月から人を
呼び込めないかということではじまった。
宝塚電鉄ができて、乗客を増やすために宝塚劇場が出来、歌劇団ができたのと同じ。

初詣などで人を乗せると儲かるというのが分かり、私鉄を作ってしまう寺まで出てきた。
川崎大師線という線路は川崎大師が作ったもの。
江ノ電は円覚寺が作った。

「今年の初詣はどちらへ?」
なんてポスターが駅に貼られ、そうすると行かなければならないような気になる。
戦後は「行く年来る年」の放送で、あちこちの寺社に参拝する人々の姿が放映され、
初詣は当然誰もがいくべき行事だと思い込む人が増えた。
もともと私鉄のコマーシャリズムから出てきた「行楽」の一種に過ぎない。
寒い中をわざわざ出て行く馬鹿もいるというだけのこと。

コロナだっていうのに、初詣のために夜中まで電車を動かすなんてどうかしている。
日本人は正気に戻るべきだ。