昔は家々に神棚があった。
正月元旦は神棚に若水を供え、柏手を打つ。
若水とはその年の一番始めに汲んだ井戸水。
井戸から水を汲んで神棚に供えるのは一家の当主の努めだった。
三が日の間は女に楽をさせるため、男が働いた。
家族がまだみんな寝ている間に当主が起きだし、若水を汲んだのである。

今は井戸のある家は少ないだろうが、それなら水道から水を汲めばよい。
神棚がなければ、若水を鏡餅の前に供えればよい。

これが正しい正月の姿。
初詣などは正月から行楽に出かけるようなものである。
一年の最初から街をぶらつくような真似はしなくてよい。
そんなロクでもないことをして、良いことなどあるはずがない。