茨城県つくば市内で11月中旬に開かれ、17人が新型コロナに感染した会食は、60歳代男性医師の自宅で行われた夜の懇親会だった。この医師が16日、読売新聞の取材で明らかにし、「心よりおわび申し上げます」と陳謝した。自身も感染し、土浦市内の医院を一時、閉鎖したことについては直接の回答はなく、「これからは地域医療に貢献できるよう努力する」とした。

 男性医師によると、会食は11月18日夜、「医療連携のための懇話会」として開催した。県南を中心に県内で感染者が急増していた時期にあたる。11月17日には、1日当たりの感染者数が当時としては過去最多の55人に上っていた。

 会食の参加者は37人で、男性医師はマスク着用などを求めたという。食事やアルコール類が提供され、「飲食時にマスクを外した方もいたと思う」としている。

 男性医師は先週末に退院し、14日から診療を再開した。ただ、感染の影響で声が出ない状態が続いており、開業する医院の事務担当者を通じて取材に応じた。

 担当者は「会場は20人ほどが入れる部屋。早く帰る人もいて、常に37人がいたわけではない。新型コロナの流行期だけに顔見知りの医師ら関係者だけが集まった」と話している。

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 県はつくば市の会食でクラスター(感染集団)が発生したと認定している。

 県の発表では、つくば市に住む60歳代の男性感染者は「自営業」の1人だけで、職業を「医師」とした人はいない。60歳代でみると、土浦市に住む男性が「医療従事者」として発表されている。

 会食を開いた男性医師について、医院の事務担当者は「県に医療関係者だと伝えたはずだ」としている。

 県関係者によると、特定の職業であっても本人の強い希望で「自営業」と発表することはある。つくば市の会食で感染した17人の中では、医師は少なくとも2人含まれているという。

読売新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/293d127ec72e333f57e4685012bd8c64095bbf26