※毎日新聞

神奈川県座間市のアパートで2017年に男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われ、15日に死刑判決を受けた白石隆浩被告(30)は16日、立川拘置所(東京都立川市)で毎日新聞の取材に応じ「気持ちは変わらない」と、改めて控訴はしない意向を示した。

東京地裁立川支部の裁判員裁判は判決で「犯罪史上まれにみる悪質な事件で、SNS(ネット交流サービス)の利用が当たり前の社会に大きな衝撃や不安感を与えた」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。白石被告は、矢野直邦裁判長の判決理由の朗読を聞いていた際の心境について「正直、何も考えていなかった。不思議なくらい汗もかかないし、心臓もどくどくしなかった。分かりきっていたことだからですかね」と落ち着いた様子で振り返った。

判決は、承諾殺人罪にとどまるとする弁護側の主張を全面的に退けた。判決後、弁護人が記者団に「被告と話して決めるが、控訴の方向で検討する」と述べたことを伝えると、「相談されたら、控訴はしませんと言うつもり。(弁護人が)控訴したら、自分で取り下げる」と話し、判決後も極刑を受け入れる姿勢に変化はなかった。

一方で、死刑が確定すると、面会が原則として親族や弁護士に限られることから「獄中結婚の相手を探している」と明かした。その理由は「今は寂しさはないが、もしかしたら寂しくなるかもしれないので、誰かが支えてくれたらいいなと」と説明。これまでも面識のない女性から手紙が届くことがあったとし、「最近面会した女性は2人いるが、具体的には誰とも話が進んでいない。(死刑確定までの)残りの期間は女の子探しをしたい」と語った。【最上和喜】

毎日新聞2020年12月17日 06時00分(最終更新 12月17日 06時25分)
https://mainichi.jp/articles/20201216/k00/00m/040/351000c