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Twitter、ワクチン接種に関する誤情報を削除へ

【シリコンバレー=白石武志】米ツイッターは16日、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する誤った情報の拡散を防ぐ取り組みを始めると発表した。根拠のない噂や不完全な情報を載せた投稿に警告ラベルをつけるほか、有害だと判断した場合には投稿者に削除を求めるとしている。

ツイッターは新型コロナの感染が広がり始めた今春から、ウイルスの性質や感染予防策、治療法などに関する有害な誤情報について投稿者に削除するよう義務づけている。12月21日に規約を更新し、ワクチン接種に関する誤った情報も削除要請の対象に含める。

例えば、ワクチンや予防接種が意図的に人々に害を与えたり、コントロールするために使われたりしていると示唆する誤った主張は、来週から投稿者に削除を求める。ワクチンに関する不完全な情報などに対しても年明けから警告ラベルをつけ、公衆衛生当局などが提供する情報へのリンクを加える。

米国では14日から医療従事者らを対象に新型コロナワクチンの接種が始まった。パンデミック(世界的大流行)収束への期待が高まる一方で、SNS(交流サイト)上では「ワクチン接種によって体内にマイクロチップが埋め込まれる」といった陰謀論も一部で広まっている。

感染拡大が止まる「集団免疫」の達成には全国民の7割前後のワクチン接種が必要とされるが、米国民の約4割は接種を希望していないとの調査結果もある。ツイッターは16日付のブログ投稿の中で「ワクチンに関する誤った情報は公衆衛生上の重要な課題となっている」と指摘した。

2020年12月17日 6:50 日経新聞