※京都新聞

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、全国知事会は20日、緊急対策会議をオンラインで開いた。菅義偉首相が観光支援事業「Go To トラベル」を唐突に一斉停止したことに反発の声が上がったほか、都道府県知事の権限強化に向けた法改正など政府への注文が相次いだ。

 菅首相がGoToトラベルを28日から来年1月11日まで全国停止したことに対し「地方に相談なく決まった。現場は混乱している」(谷本正憲石川県知事)、「感染拡大区域にもっと早く強い措置を取れば、地域に限った停止にとどめられた」(丸山達也島根県知事)と苦言が続いた。

 宿泊施設だけでなく交通や物産など幅広い事業者に影響が出ている実情も報告された。1月12日以降は未定のため、山口県の村岡嗣政知事は「早期に今後の対応方針を」と求めた。

 政府が11月25日に宣言した感染を抑える「勝負の3週間」は効果が出ず、各地の医療機関が逼迫(ひっぱく)しつつあるとの悲鳴が上がった。京都では府内14の病院長が医療崩壊への危惧を表明しており、西脇隆俊知事は「苦労している医療機関、医療従事者への慰労金を拡充してほしい」と要請。滋賀県の三日月大造知事も「コロナ患者受け入れ病院はもちろん、それ以外の病院の支援も必要だ」と語った。

 京都府なども実施する飲食店への時短営業要請については、「『要請』では応じない店がある。権限強化が必要」(黒岩祐治神奈川県知事)、「法に休業補償の規定を盛り込むべき」(吉村洋文大阪府知事)と新型コロナ特措法の改正を求めることで一致した。

 知事会は意見を緊急提言にまとめ、近く政府に提出する。また、帰省や会食など年末年始の行動に注意を促す国民へのメッセージも出した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/09509b86077da995645c85a381ee8cb98ed2097c
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