hint-pot 12/27(日) 20:13
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c70f2c53b6ffcda01eb54bb3902a97c0c276489

 2019年からスマホ決済やICカードによる決済が推奨されるようになり、今や「お年玉」までもがキャッシュレス化される時代に突入しています。しかし、高齢者からは「キャッシュレスは不安」という声が上がっているのも事実で、総務省の発表によれば、70代の電子マネーの所有率はわずかに20%程度。実際のところ「お年玉のキャッシュレス化」をどのようにとらえているのか、不安や不満はどこにあるのか、孫を持つ世代の方にお話を伺ってみました。中にはコロナ禍での家族のあり方を見直す人もいるようです。

70代─そもそもスマホが扱えない人も
「私が住んでいる地域は同年代の高齢者が営む小さな商店が多く、キャッシュレス決済をしようとする度、店主も自分もドキドキ。そもそもスマホなんてめったに使わないから、アプリを起動させるのにすごい時間がかかっちゃうし。数百円のものを買うだけでポイントもそれほど貯まらないので、現金をやりとりする方が早いよね? ということになったのよ」

 ずばり、キャッシュレス決済からはほど遠い生活をしていると語るのは、関東在住の千絵子さん(74歳・仮名)。6年前にご主人が亡くなり、2人の息子は進学や就職を機に家を出て都会暮らし。千絵子さんは小さな畑で細々と野菜を作り、わずかな年金をやりくりしながら一人暮らしをしています。

 そんな千絵子さんがキャッシュレスを使うようになったのは、「ポイントが貯まってお得だし、買い物の際もスピーディで良い」と、キャッシュレスのアプリを入れたスマホをプレゼントしてくれた息子の影響。

 しかし、操作に詳しい人は周囲におらず、スマホの扱いはいつになっても慣れない。通信販売などはまったく利用せず。また、友人たちとは会って直接話せば十分という生活の中、「キャッシュレスなんて、必要ない」というのが正直な感想なのだとか。

「嫁から電話でね。今年はコロナ禍があってこっちに来られないから、お年玉を電子マネーで送ってくれって言われたの。でも、やり方が分からないし、教えてくれる人もいないから無理なのよね。電話口で説明してもらっても分からないし、代わりに図書カードを送ると答えたんだけど納得してなさそうで……。もう、そのやりとりだけで疲れちゃって。そもそもそれ、もらう立場の人が言う言葉なのかしら」

間もなく迎える年越しを前に、千絵子さんが出した答えは「コロナ禍が終わって、うちに遊びにきてくれるまで、お年玉は貯金しておく」というもの。

「孫には『おばあちゃんがスマホできないせいでごめんね。その分、おばあちゃんの手元にチャージ? っていうの? それをしておくからね』って言ったら、『ばーちゃんチャージ、ウケる! それいい!』って笑ってもらえました。嫁は何やら怒ってるみたいですけど……そこはもう、どうでもいいかな」

息子の育て方間違った…? キャッシュレス化でできた心の溝
「インターネットの通信販売すらやったことないし、クレジットカードも持ったことがない。そんな状態にあるのに、孫のお年玉を『キャッシュレスにして』と言われても……」

 戸惑いを隠せないのは、関東在住の治代さん(77歳・仮名)。認知症のご主人をようやく介護施設に入れ、ホッとひと息ついていたところにコロナ禍が襲い、心穏やかな日々の訪れを願ってやまない毎日を送っているといいます。

「先日、地方にいる息子から電話が来てね。『今年はそっちに帰らないから』って言われたんですよ。それはもう、この状況なので仕方ないかなとは思うんです。寂しいけれど、私自身、夫の見舞いすらままならない状態ですから。でもね、『お年玉は電子マネーで送ってくれればいいから』って言われて、夫や私のことを心配するより先に、お年玉の催促かと、がっかりしてしまって……」

 テレビのニュースで、国がキャッシュレス化を進めていることは知っていたという治代さん。しかし、本人はこれまでクレジットカードを持ったこともなく、携帯電話も持たない生活。しかも、キャッシュレス決済で不正や不備があったというニュースや、クレジットカードの個人情報漏洩の報道など、聞いているだけで恐怖感は増す一方だといいます。

 実際に暮らしていく上で、現金のままで不満はないどころか、きちんと家計簿をつけて可視化できているそう。困ることは何もない状態のため、今後もこのまま過ごしていく予定だと治代さん。

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