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 京成電鉄は28日、新型コロナウイルスの水際対策のため、海外から到着後に14日間の公共交通機関の利用自粛を要請されている航空旅客を対象に、成田空港―京成上野を結ぶ有料特急「スカイライナー」に入国者専用車両を導入した。
乗客は京成上野駅で下車後、ハイヤーか自身が手配した車で自宅やホテルに移動する。

 仕事でシンガポールから来日したベトナム国籍のエンジニアの男性(29)は専用車両に乗り込み、「タクシーを利用できなくて、特急を紹介された。都心へ行けるのでとても良いサービスだと思う。上野駅まで車で迎えに来てもらう」と話した。京成の深井貴幸・鉄道企画担当課長は「入国者や送迎する人の負担の軽減になる」と説明している。

 成田空港駅か空港第2ビル駅で乗車し、日暮里など途中駅での下車はできない。8両編成の先頭の8号車を専用車両とし、40席のうち20席限定で予約販売して隣の席を空ける。車内に消毒液を置き、一般客との接触をできるだけ避けるため7号車を空車にする。
京成上野駅で係員が待機し、一般の乗客とは別の専用通路から出て地下のハイヤー乗り場や駐車場まで誘導する。8号車は乗客の下車後に消毒する。午前9時台から午後7時台に発車する15便に専用車両を導入し、京成上野駅の駐車場の1時間利用券付き4500円、東京23区内の目的地までのハイヤー送迎付き2万円。

 入国者の多くは空港検疫で陰性だった場合、自宅やホテルなどで2週間待機し、移動時の公共交通機関の利用自粛を要請される。ハイヤーやレンタカーを使ったり、家族や知人に車で迎えに来てもらったりする人が多い。
成田空港は都心から離れていて、移動の費用や所要時間の負担が大きかった。一部には利用自粛に従わず鉄道やバスを利用するケースもあった。12月16日には、成田空港や羽田空港と都内の13ホテルを結ぶ入国者専用バスの運行が始まっている。

 変異ウイルスの確認を受け、政府は28日、全ての国・地域からの外国人の新規入国を原則停止した。中国や韓国など11カ国・地域のビジネス関係者の往来などは認められている。【中村宰和】