増床、協力金1000万円でも難航 大阪市の計画に手を挙げない病院の危機感
会員限定有料記事 毎日新聞2020年12月29日 18時00分(最終更新 12月29日 18時00分)
https://mainichi.jp/articles/20201228/k00/00m/040/343000c

 新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が切迫する中、松井一郎大阪市長が打ち出した増床計画が難航している。12月中に軽症・中等症者用を中心に100床の増床を目指し、市内の医療機関に1床当たり1000万円を支給する独自の協力金制度の創設を表明したが、確保の見通しが立ったのは約30床。「不振」の背景には、病院側が行政の急な要請に対応できない切実な事情がある。

 「この冬を何とか乗り切らなければならない」。松井市長は11日、感染者数の高止まりで医療崩壊の危機が迫る現状にこう危機感を示し、市内の医療機関に対する増床支援策を発表した。支給条件として月末までの増床と、2021年3月末までの運用を求めた。

 大阪府内では感染拡大に伴い、重症病床使用率は28日現在で66・9%に上り、軽症・中等症者用も66・5%と高い水準で推移する。大阪市内の感染者数は府全体の約半数を占めている。市内の病床確保数は430床(27日現在)。冬場は新型コロナがさらに流行する恐れもあり、増床が急務になっている。

 しかし市によると、制度への協力を申し出た医療機関は27日現在八つで、提供見通しの病床数は30床程度。制度内容などに関する問い合わ…

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