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(ブルームバーグ): 中国湖北省武漢市で今年前半に広がった新型コロナウイルス感染の規模が確認されている数の約10倍だった可能性がある。中国の公衆衛生当局が実施した調査が示唆した。

中国疾病予防コントロールセンターが4月に3万4000人余りを対象に実施した血清検査によると、約4.4%がコロナウイルス感染症を引き起こす病原体に対する特定の抗体を持っていることが分かった。過去に感染していたことを示している。このデータは今月28日遅くに公表された。

武漢市の人口は約1100万人で、この割合を当てはめると50万人ほどがコロナに感染していたことになる。今回の調査が実施された4月半ばに保健当局が確認済みのコロナ感染症例として報告していた件数(約5万件)のほぼ10倍だ。

新型コロナの抗体検査急ぐ中国−感染拡大の実態把握目指す

中国はコロナ感染拡大への初期対応を巡り国際的に批判されてきた。米国は武漢市のコロナ被害に関する中国側の説明を疑問視。感染者や死者数の修正が相次いだため、中国は一連の数字を操作しているとの疑念が広がっていた。

今回の調査結果は中国国内で最も感染者が多かった武漢市でもコロナになお脆弱(ぜいじゃく)であることも示している。集団免疫の最低基準でも人口の半数以上が感染する必要があると疫学者らは話す。だが、中国疾病予防コントロールセンターはウェブサイトに掲載した資料で、武漢の感染割合はコロナ感染の第1波後の他国とおおむね変わらないと説明した。

中国は湖北省での感染拡大を抑え込んだ後、コロナをほぼ封じ込めている。今年4月以降は散発的な感染が確認されているが、積極的な濃厚接触者の追跡やわずか数日で数百万人に実施する検査を通じて感染の広がりを抑えている。

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