※デイリー新潮
 1店40万円の協力金と引き換えに、12月17日までの20日間、飲食店に夜10時までの営業時間短縮を要請していた東京都の小池百合子知事は、その期間を来月11日まで延長した。新宿区でショットバーを営む男性は怒りを隠さない。

「飲食店は2月と8月が暇で、12月は逆に忘年会とかも重なって、売り上げも暇な月の倍にはなる。12月に稼げないと経営も生活も成り立ちません。でも今年の12月は、40万円の協力金を足して、やっと2月や8月の売り上げに届くかどうか。こうして、僕らに負担を押しつけながら、豊洲市場では160人も感染者が出ても、クラスターと認めないんですね。叩きやすいところは徹底的に叩いて、自分の息がかかったところには甘いのは、許せません」

たしかに新型コロナウイルスの新規感染者数は、都内で直近1週間の平均が500人を超えるなど、増えてはいる。だが、そうはいっても、感染者数も死者数も欧米の数十分の一程度だ。それでも医療が崩壊しうるなら、それを防ぐ対策は必要だが、有効なのは本当に飲食店への時短要請だろうか。その前に小池知事の二枚舌も問われるべきだろう。

 というのも、豊洲市場で働く3500人にPCR検査が行われ、バーの経営者が指摘したように、161人の感染が判明した。ところが小池知事は「自主的に検査を受けられた結果だと思います」などと他人事のように語るのみで、クラスターと認めないのである。

 上田令子都議が言う。

「都は豊洲市場での感染は“散発的”“感染者が所属する会社が違う”などと言います。しかし、搬入から出荷まで一定の温度管理下で行える豊洲市場は、密閉性が高い。仲卸業者が並ぶエリアでは各人が至近距離になり、現に隣同士の業者で複数名が感染した例もある。マスク着用も徹底しているとは言いがたく、競りでは大声を出すし、買いにくる人は小池知事がターゲットにする飲食店の人たちが多い。感染が広がる条件はそろっていました。ところが小池知事は、夜の街にはすぐに“クラスターが出た”と警報を出してきたのに、豊洲にはクラスターを認めません。夜の街でだけ犯人捜しをするのは、非常に問題。ご都合主義で都民を愚弄しています」

 小池知事は「自主的に検査を受けられた結果」と強調するばかりだが、東京都の関係者が指摘する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d1d526d9ce6d6754c1111d1fefdc05dbf70b7c5f