イランが国際原子力機関(IAEA)に対し、濃縮度最大20%のウランを製造する意向を通達したことが1日分かった。関係筋が明らかにした。濃縮度を20%まで高めると、技術的には核兵器級の90%の高濃縮ウラン製造が容易になるとされる。実際に20%まで濃縮度を高めれば、米国の核合意復帰が難しくなりそうだ。

 イランはIAEAに、国内法に従うため中部フォルドゥの施設で濃縮度最大20%のウランを製造する予定だと伝えた。ただ濃縮作業をいつ行うのかについては言及していないという。

 イランでは2020年12月、政府に対しウラン濃縮度を20%まで引き上げる作業を始めることなどを義務付ける法が成立している。

 バイデン次期米大統領は核合意復帰の条件として、イランの合意順守を挙げている。イランは既に核合意が認める3・67%を超過しているが、これまでは4・5%程度に抑えていた。

 核合意前、イランは医療分野で必要だとして20%の製造に成功している。(共同)

https://www.sankei.com/world/news/210102/wor2101020006-n1.html
2021年1月2日 9時09分