首都圏での緊急事態宣言再発出で予断を許さない状況
コロナ関連破たん累計件数(判明日ベース)

 1月5日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が7件(倒産6件、準備中1件)判明し、2月からの累計は全国で850件(倒産780件、弁護士一任・準備中70件)となった。
 月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は100件で3カ月ぶりに前月を上回り、以降11月まで3カ月連続で100件を上回った。12月も100件は下回ったものの、96件と依然として高止まりで推移した。
 なお、集計対象外だが、負債1000万円未満の小規模倒産は累計42件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計892件となった。
 首都圏(1都3県)での緊急事態宣言の再発出が決定した。今後、飲食店に対する時短営業や、外出自粛要請などが広がるなか、消費関連業種への影響が懸念される。感染拡大防止に対応するための難しい舵取りが続く一方で、事業環境の悪化でコロナ関連破たんはさらに増勢を強める可能性もあり、当面は予断を許さない状況が続いている。

※ 企業倒産は、負債1000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。
【都道府県別】(負債1000万円以上)〜 愛知県が40件超え 〜
 都道府県別では、東京都が211件(倒産195件、準備中16件)に達し、全体の4分の1(構成比24.8%)を占め、突出している。以下、大阪府が79件(倒産75件、準備中4件)、愛知県43件(倒産42件、準備中1件)、神奈川県(倒産34件、準備中4件)と兵庫県(倒産34件、準備中4件)がそれぞれ38件、北海道が35件(倒産34件、準備中1件)と続く。
 5日は愛知県で5件判明し、40件を上回ったほか、福岡県で2件判明した。都道府県別では10〜20件未満が13府県、20〜30件未満が3県、30件以上は7都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1000万円以上) 〜 飲食業が144件、アパレル82件、建設68件、宿泊60件 〜
 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が144件に達した。首都圏での緊急事態宣言の影響で、今後の推移に注目が集まる。
 次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が82件。工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が68件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が60件。
 以下、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が41件、食品製造業も29件と多く、飲食業界の不振が影響している。

【負債額別】(負債1000万円以上)
 負債額が判明した831件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で308件(構成比37.0%)。次に、1千万円以上5千万円未満269件(同32.3%)、5千万円以上1億円未満135件(同16.2%)、10億円以上60件(同7.2%)、5億円以上10億円未満59件(同7.0%)の順。
 負債1億円未満が404件(同48.6%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も4件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

1/5(火) 18:23
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