国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、読売新聞の単独電話インタビューに応じた。
新型コロナウイルスの感染拡大のため今年7月に延期された東京五輪について、
「開催は、逆境に立ち向かう人間性と世界の結束というメッセージを送るだろう」と述べ、その意義を強調した。

バッハ会長は、コロナ禍の収束が見えない中で、日本国内に開催への懸念があることに理解を示した上で、
各国で今も様々な競技会が開催されており、ワクチン接種や検査技術の開発も進んでいることに言及。
安全に五輪を開催するという原点回帰を目指す意向を表明し、「困難な闘いの末に手にした勝利は、与えられた勝利よりもはるかに嬉うれしいものだ」と語った。
代表選考や練習などで困難に直面する選手たちについては、「参加すること自体の喜びが、何にも代えがたい体験になる」と述べた。

 また、日本が大会開催への過程で示す意志と連帯が、「コロナ禍と向き合う世界の範」となるとの考えを示し、
「人々がその価値を信じ、ともに努力を続ければ、長いトンネルの先に希望の光を灯ともすことができる」と語った。

https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20210105-OYT1T50271/