1/12(火) 21:53
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東奥日報

 年明けから大量の雪が降った青森市では、生活道路の除排雪が追いつかない状況が続く。市は例年通りの除排雪体制を確保しているが、急激に積雪量が増加しため、作業に時間を要しているという。担当者は「着実に作業を進めているが、一気に雪が降ったので遅れが出ている」と説明する。

 市道路維持課雪対策室によると、本年度の除排雪委託料は例年並みの25億5千万円、8日時点の執行率は約50%となっている。委託業者に対する除排雪の出動指令は昨年12月以降、生活道路で計3回、幹線道路では6、7回ほど行った。

 一方、同市の積雪は1日の68センチから10日間で129センチまでに倍増。委託業者は国道や県道の除排雪も担当しているため、急激に雪が降ると、市道にまで手が回らないことがあるという。

 12日の桜川地区は、路地に入ると路面が雪ででこぼこのまま。地元の男性(69)は自宅前で雪かきをしながら「除雪は年明けに一度入ったきり。市内どこも大変なのは分かるけど…」と困り顔。市が除排雪予算の半分を使い切ったことに関して、「除雪車が来ないのに、どこに予算を使っているのか」とこぼす。

 市中心部でも2車線が1.5車線になるなど道路幅が狭くなり、渋滞が発生。同市の女性会社員(45)は「夕刻の帰宅時間帯に、普段は15分程度で行ける道がノロノロ運転で進まず、1時間もかかった」と疲れた表情で話した。

 苦情に対し、市雪対策室の小田一彦室長は「作業に時間がかかっているのは事実だが、出動指令を抑えているわけではない。市民には不便を掛けて申し訳ない」と理解を求める。また、委託業者の関係者は「例年通りの重機と人員を確保しており、出動回数も変わらない。業者が除排雪をしていないと思われるなら、心外だ」と説明。別の業者の関係者は「排雪作業のため、県内各地から毎年一定数のダンプカーを確保しているが、積雪量に応じて途中で増やすのはなかなか難しい」と語った。

 青森地方気象台によると、青森市では今後2週間ほど寒気が緩み、大雪となる可能性は低いという。市は15日の冬休み明けまでに全小・中学校の通学路の除雪作業を完了させるほか、必要に応じて除排雪委託料の予算を上乗せする方針。

https://news.yahoo.co.jp/articles/69fa068f61a0aa3b6b708be5178f7a73ceb47c29