さんまが「君たちは俺の払った税金で学べているんだから感謝してもらわないと」って、
東大生や京大生がいる番組でしゃべってたけど、これ典型的な勘違い。

発想の転換が必要。

収入で得られる利益はその人が得るべき利益なのではなく、
社会のシステム整備がしきれないがゆえに過剰に集まってしまう金額であり、
それを是正する強力な累進課税後の所得が本来受け取るべき利益。
そして現在は累進性が低すぎて格差が開いて行っている。
義務教育の教科書で教えるべきこと。
資本の分配段階で適切に是正できないなら、税金で徴収して調節するしかない。

「単純労働者をもっと優遇してあげるのは不公平」なのではなく、
「資本保有上位者がほとんどもっていってしまえる現状が不公平」なんだよ。
強力な累進課税は資本が資本を生む資本主義の中では必要な設定なのに、
それを「稼いでも税金で奪われている」っていう認識自体が異常事態ってこと。
格差無制限に稼げる現在が異常なのであって、高い税率が異常なのではない、
こういう社会的に合理的な認識を皆で共有することで、高給取りを納得させることが必要。

「働かざる者食うべからず」をきちんと本来の意味通りに、
収益ほどに働いていない者は貰うべからず、にしないといけない。
それを参照するなら、実際の労働価値に応じて分配するために、
個人間にある収益の差は数倍程度までにおさえるべき。
ノーベル賞級の価値創造とか、そういう人には特別な利益を与えればいいけど、
町医者とノーマルな労働者(派遣含む)との間には、そんなに社会的な価値生成能力は変わらないので、
その年収差は2倍程度になるようにするのが本来のあるべき姿だ。
現在は年収2000万と300万で差がありすぎている。それをシステム的に是正してならすのが累進課税なのに、
金持ち優遇策によって、高度経済成長期に比べて累進性が低くなってしまっている。

それに、リスクは余裕資本がある人ほどとりやすいわけなので、
資本消失リスクを取ること自体には、インセンティブを与えるべきことじゃない。
リスクをかけた人に見返りがある社会ではなく、
チャレンジ自体にリスクがなくなる方へ社会を誘導しなければいけない。
投資収益は総合課税にまとめて累進課税をかけるべきだよ。

こういう考えから、現在富裕層が搾取している分を労働者に分配すると適正になる。
税金の累進性を年収1000万超えるあたりから急激に強くして、高度経済成長時代なみの累進性を復活するべき。
年収1億以上とかなら税率80%とかでもよい。昔はそのようになっていた。
資産はほっておくとベキ分布になっていくので、それを正規分布に補正するような強力な累進税率カーブで税金をとっていくという事。
http://www.caa.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/01_honpen/html/08sh21310c.html
その合理性はピケティによっても証明されているし、
経済学の統計でも年収900万をこえるあたりから幸福度はあまり上昇しない結果が出ているので、
それで社会的な総幸福量は上がるのだから。



年間50万円の税金を納めている人と、
年間1億の税金を納めて5億合法的脱税をしている人となら、
後者のほうが社会に危害を与えていることが理解できない人は割と多い。
前者が10万人いても公共サービスや社会保障などと帳消しで±0か少々の赤字で済むが、
後者が10万人いたら年間40兆円の被害だ。