中東イスラエルで、新型コロナウイルスのワクチン接種が世界に先駆けたペースで進んでいる。
昨年12月に接種を開始し、すでに国民の2割が1回目の接種を済ませた。

接種で感染率が3〜6割低下したとする研究報告も発表され、
接種が進むことでさらにワクチンの効果が証明されることも期待されている。

保健省によると、イスラエルでは15日までに約199万人が1回目の接種を受けた。
約925万人の国民の2割以上にあたる。

英オックスフォード大などがまとめる「Our World in Data」(14日現在)によれば、
人口100人当たりの接種数は24・96。2位のアラブ首長国連邦(15・45)をはじめ、
英国(4・94)、米国(3・37)などを大きく引き離して世界トップを走っている。

イスラエルは米製薬大手ファイザーと大型契約を結ぶ代わりに、接種結果の統計データを同社に提供することで合意している。
医療インフラが整い、デジタル化も進んでいることから、同社はイスラエルで有用なデータが早期に得られると判断したとみられる。

イスラエルでは12月19日に国民への接種を開始。60歳以上の高齢者から接種を始め、今月13日には対象を50歳以上に拡大した。
免疫獲得に必要とされる2回目の接種もすでに約17万人が受けた。政府は、3月中には国民の70%への接種が完了することを見込む。

ワクチンの効果を示唆する研究結果も報告され始めている。

国民への接種を担う健康維持機構の一つ「クラリット」は、接種を受けたグループと受けていないグループのそれぞれ20万人を調査。
感染者に接触して隔離対象となった人のうち、実際に感染した確率をグループ間で比較した。

接種したグループでは、1回目のワクチン接種から14日後には感染率が33%減少。
接種12日目までは感染率に変化はなく、13日目から低下が見られたという。

地元テレビによると、別の健康維持機構「マカビ」は、接種14日後には感染率が60%減ったと報告している。

ワクチンは2回の接種を経て免疫獲得に至るとされている。今回は1回目の接種後の調査に過ぎず、
精度の高い効果を測定するには、さらなる研究が必要とみられる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1b136313d9c24df7d730a4236a29cb4964760a45