NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を悪用した商品詐取事件で、埼玉県警などの合同捜査本部が詐欺容疑などで逮捕した中国籍の男女3人が、10日間で計約200回の不正な購入を繰り返していたとみられることが捜査関係者への取材で判明した。捜査本部は、3人に指示し、不正発覚防止のために大量の商品を換金目的で短期間に購入させていた組織が背後にある可能性があるとみて調べている。

 県警によると、逮捕されたのは埼玉県所沢市の大学生、王允程容疑者(24)ら3人。捜査関係者によると、購入履歴の解析から、3人はコンビニや家電量販店など約40店舗で、スマートフォン決済「d払い」を通じて電子たばこや家電など約670万円分の物品を購入したとみられる。購入は2020年8月下旬から9月上旬の10日間に集中し、計約200回に上る。

 「d払い」には、他人名義の銀行口座と勝手にひも付けして不正に開設したドコモ口座が使われていた。捜査本部は、3人が購入品を別の人物に転送していた可能性があるとみて、押収物の解析を進めている。【成澤隼人】
https://mainichi.jp/articles/20210120/k00/00m/040/052000c