新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が現実化する中、群馬県館林市は19日、自宅療養者を対象にした生活支援策を発表した。生活協同組合コープぐんま(本部・桐生市、中村隆夫理事長)と連携して食料品などを配達する。自宅療養を視野に入れた感染者支援策は県内初。

 県内では現在、感染者は原則として医療機関に入院するか、軽症者向け宿泊療養施設に入所する体制を維持している。18日現在、医療機関の新型コロナ用病床335床には223人が、宿泊療養施設396室には140人が入っており、189人が入所先を調整している状況だ。しかし、満床・満室の状況となった場合、無症状の感染者などは自宅療養となり、療養中の外出は制限される。

 そこで、館林市は県から自宅療養を要請された市民からの希望に応じ、コープぐんまに調理が簡便なレトルトなどの食料品10日分(30食)とトイレットペーパー、消毒液、ごみ袋といった生活物資を戸口前まで配達してもらう支援策に乗り出す。配送料を含む費用は2万円以内とし、市が負担する。自治体と生協(コープ)の同様の連携は、札幌市や仙台市などでも実施されている。【高橋努】

毎日新聞2021年1月20日 12時36分(最終更新 1月20日 12時42分)
https://mainichi.jp/articles/20210120/k00/00m/040/088000c