(ブルームバーグ): 香港に上場する中国のインターネット大手テンセント・ホールディングス(騰訊)の記録的な株価上昇で、
同社の時価総額が1兆米ドル(約104兆円)に迫っている。世界のテクノロジー銘柄に広がる熱狂ぶりを示す。

  テンセント株は25日の香港市場で前週末比11%高で取引を終了。2011年以来の大幅上昇となり、時価総額は約9500億米ドルに達した。
オプション市場の値動きも大きく、28日に満期を迎えるある権利は11万8300%上げた。

  これほどの値上がりを促す明確な材料はほとんどなかったが、トレーダーはテンセントが出資する短編動画アプリの快手科技による野心的な香港上場計画やシティグループのアナリストの強気なリポートを理由に挙げた。

  明らかなのは、テンセントがテクノロジーセクターを巡る投資家の熱狂による恩恵を受けているという点だ。
同社の時価総額は今月だけで2510億米ドル増えており、世界的に見ても突出している。ナスダック主導の値上がりが目立つ米国などで金融緩和が世界の株式バブルを後押ししているとの警鐘は強まっている。

  割安感のある投資先を探す動きが強まる中で、香港株に資金が殺到している。
香港上場の中国本土株の指標、ハンセン中国企業株(H株)指数はここ1カ月の世界の主要株価指数で最も値上がりが目立っている。

  本土投資家からの記録的な資金流入も香港株高に拍車を掛けている。テンセントが第一の投資先となり、株式取引接続を通じて流入してきた資金の約4分の1を占める。

  安山資本の資産運用ディレクター、ジャクソン・ウォン氏は「株式がオーバーシュート気味だ」と分析。
「明らかにこれは流動性による押し上げだ。中国政府は香港に資金を向かわせたいと考えており、新たな上場投資信託(ETF)や投資信託の多くに香港株を買うよう促している」と話した。
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